私は、仕事中に「ちょっとスマホをチェックしよう」「この動画だけ見よう」と思ってしまい、数十分があっという間に過ぎてしまうことがあります。
集中しているつもりでも、通知音が鳴った瞬間に視線がスマホ画面へ向いてしまい、気づいたら作業が中断されてしまう。こうした「誘惑」によって作業時間が細切れになり、結局終わるはずだったタスクが後回しになることが増えていました。
「セルフコントロール」が効かず、「習慣」化していない行動=「怠け癖」が出て、結果として自尊心が下がる悪循環に陥っていたのです。このような状況では、ただ「我慢しなきゃ」と思うだけでは限界が来てしまいました。そこで私は『環境設計』と『誘惑排除術』に着目しました。
環境設計で誘惑を断ち切る
デジタル環境編
まず、私はデジタル環境を変えました。具体的には、スマホとパソコンに「StayFocusd(Chrome拡張機能)」を導入しました。

これは「指定したウェブサイトに使える時間を設定でき、時間を超えたらアクセスできなくなる」という仕組みです。
さらに、iPhoneでは「Blockin」というアプリで「使用制限ブロック」「時間帯ブロック」「即時ブロック」を設定しました。

次に、視覚・聴覚・嗅覚という五感に働きかける環境も整えました。スマホのホーム画面を白黒(グレースケール)に変更しました。色彩は脳に強く反応。
机周りも整理し、デバイスやメモを極力視界に置かないようにしました。視覚ノイズを減らすことで「気づいたら別のものを触っていた」という中断が減りました。さらに通知音をオフにし、雨音やカフェ風音など“単調な音”をバックグラウンドに設置。こうすることで、通知が出た瞬間のドーパミン反応を抑え、誘惑を未然に防げました。
食べもの編
また、キッチンや食事環境でも習慣を見直しました。包装デザインが目に入るだけで自制力が落ちるため、キッチンカウンターを空にし、食べる場所をソファではなくテーブルに限定。夜の照明を暖色に変えることで、白色光が覚醒を促し夜食欲を増やす要因になる状況も回避しました。
環境を整えるとセルフコントロールが続く
環境を変えたことで、私は「スマホを無意識に見る」回数が大幅に減りました。通知を遮断すると、気づかない=誘惑されない。結果、作業の中断が減り、1日の集中時間が安定しました。
怠け癖の頻度が下がると、「やりきった」という感覚が自然に増え、自尊心が上がります。これまで意思力で頑張っていたことが、仕組みによって自動化されていくのを実感しました。
「努力しなくても集中が続く」環境ができると、疲れている日でも無理せず行動できるようになります。
なぜ環境設計が意思力の節約につながるのか?
心理学や行動科学では、「意思力は有限資源」と言われます。つまり、何度も我慢すると脳のエネルギーが消耗し、判断力が落ちて誘惑に負けやすくなるという構造です。
そこで有効なのが、トリガー(行動を始めるきっかけ)を断つ環境設計です。たとえば、スマホのアイコンを白黒にする、通知を切る、食べ物を見えない場所に置く。これらは「無意識の行動誘発」を防ぐ仕組みです。
トリガーがなくなると、脳が「報酬を求めて動く回数」が減り、結果として誘惑に出会う機会そのものが減ります。意思力を消耗せずに良い習慣を続けられる。これが意思力の節約です。
このように、環境が行動を決める設計に変えると、セルフコントロールが持続可能な形に進化します。
環境を整えてもトリガーを残すと逆効果になる
一方で、トリガーを残したままだと誘惑が戻ってきます。
スマホを机の上に置いたまま、通知をオンにして作業をしていれば、環境設計の効果は半減します。
また、「代わりの快」を設計せずに「我慢」だけを続けると、反動で過食やSNS依存に走ることがあります。
私が意識しているのは、「やめる」よりも「置き換える」ことです。たとえば夜の飲酒をやめる代わりに、アップルサイダービネガーやハーブドリンク(生活の木のエルダーフラワーなど)を飲むようにしました。
【実践例】環境設計で怠け癖が減った
以前の私は、夜になるとSNSを見続けてしまい、翌朝に疲れを持ち越していました。そこで以下のように実践しました。
・BlockinでSNSを19時以降ブロック
・デスクを整え、作業と休憩スペースを分離
・スマホを白黒表示に変更
・通知をすべてオフに設定
・夜は暖色照明に変更し、カウンターを空にする
この環境を2週間維持したところ、夜のスマホ使用が約40%減り、翌朝の行動開始が早まりました。「今日はやりきれた」と感じる日が続くようになり、セルフコントロールの感覚が安定しました。自尊心も回復し、無理なく習慣を維持できています。
【まとめ】誘惑に負けそうなときは環境を変えよう
誘惑や怠け癖に悩んでいるなら、まず環境を設計しましょう。五感の刺激を減らし、トリガーを断ち切ることで、意思力に頼らず行動を続けられます。
デジタル環境ではBlockinやStayFocusdを活用し、物理的環境では視覚・聴覚・嗅覚の刺激を整理する。
この2段階を整えることで、自然とセルフコントロールが続く仕組みが完成します。
「頑張らなくても続く」状態は、意志ではなく環境からつくれます。
